岩瀬昇のエネルギー通信 (157)

タンカー事件でも「高騰しない」油価決定のメカニズム

決して「高騰」はしていないのだが(『FT』2019年6月20日
 

 ペルシア湾からホルムズ海峡を抜けたところに広がるオマーン湾で先週、2隻のタンカーが何者かに攻撃された。1隻はマーシャル諸島船隻で、実質ノルウェー企業がオーナーの「白物」(ガソリン、ナフサ、灯油などの軽質石油製品を指す。一方、重油や原油は「黒物」と呼ばれている)タンカーであり、台湾の国営・中国石油向けに石油化学の原料であるナフサを積載していた。もう1隻はパナマ船籍の、日本の会社が実質オーナーの化学品タンカーで、シンガポールとタイ向けに基礎化学品の一種であるメタノールを輸送しているところだった。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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