新・マネーの魔術史:未来篇 (6)

容易ではない仮想通貨「リブラ」の「価格安定化」

執筆者:野口悠紀雄 2019年10月24日
タグ: 日本

 

 仮想通貨リブラは、価格変動があまりない通貨になることを目指している。すなわち、ドルやユーロ、円などの主要通貨のバスケットに連動するとしている。

 仮想通貨が実際の決済や送金に使われるようになるためには、このように価格を安定化することが必要だ。

 価格が安定した仮想通貨は、「ステイブルコイン」と呼ばれる。

 ビットコインは、価格が変動する仕組みになっているために、投機によって価格が暴騰し、その後下落した。この結果、決済や送金には使いにくい。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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