新・マネーの魔術史:未来篇 (8)

中央銀行が仮想通貨を発行すると世の中が変わる

執筆者:野口悠紀雄 2019年11月7日
タグ: 中国 韓国

 

 西側諸国の中央銀行も、独自の仮想通貨を発行する研究を熱心に進めている。

 イングランド銀行は、早くから仮想通貨の発行を検討していたが、2016年には、ロンドン大学の研究者が、イングランド銀行が利用することを想定した「RSCoin」を開発したと発表した。

 スウェーデンのリクスバンクも、デジタル通貨について検討するプロジェクトを立ち上げている。この背景には、スウェーデンで流通している紙幣と貨幣が著しく減少しており、中央銀行もこの変化に応じてデジタル通貨を検討しなければならなくなったという事情がある。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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