灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(80)

執筆者:佐野美和 2019年12月1日
タグ: 日本
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』(ダヴィッド社、1956年)より)

 節分立春と駆けぬけるように過ぎていったが、春まだ遠し。

 通勤のコートの下に職業婦人らしく格子のジャケットにタイトスカート、ヒールの少しある黒い革靴を合わせる。

 短く切られたヘアーにはパーマネントがあてられ、資生堂のコールドクリームで入念にマッサージした肌にはツヤのある粉をはたき、細く整えた眉を弓なりに描き、薄い色の紅で口元を丁寧に仕上げる。これがあきの通勤スタイルだ。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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