「極右政党」が「キングメーカー」ドイツ「大激震」の理由(上)

執筆者:熊谷徹 2020年2月17日
タグ: ドイツ
エリア: ヨーロッパ
ドイツ東部テューリンゲン州の首相に選出されたFDPのケンメリヒ氏。だが、文字通りの三日天下に終わってしまったそのワケとは…… (C)EPA=時事 

 

 「ついにダムが決壊した」「タブーが破られた」

 2月5日に旧東独のテューリンゲン州議会で起きた「政変」を見て、多くの政治家、報道関係者がこう語った。

 「ワイマール共和国のような空気がドイツを覆っている」

 という声もある。というのも、既成政党が初めて極右政党の力を借りて、一時的に州政府のトップの座に就いたからだ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
熊谷徹(くまがいとおる) 1959(昭和34)年東京都生まれ。ドイツ在住。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン特派員を経て1990年、フリーに。以来ドイツから欧州の政治、経済、安全保障問題を中心に取材を行う。『イスラエルがすごい マネーを呼ぶイノベーション大国』(新潮新書)、『ドイツ人はなぜ年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)など著書多数。近著に『欧州分裂クライシス ポピュリズム革命はどこへ向かうか 』(NHK出版新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」 欧州コロナ150日間の攻防』 (NHK出版新書)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか 』(SB新書)がある。
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