新・マネーの魔術史:未来篇 (22)

複雑な「送金・決済」の仕組み

執筆者:野口悠紀雄 2020年2月21日
エリア: その他
リブラ公式HPより
 

 デジタル通貨の発行に向けての動きが加速化している。

 これを理解するには、まず、現在の送金・決済の仕組みがどうなっているかを理解する必要がある。以下では、「全銀システム」と「日銀ネット」について説明する。

現金を輸送せずに、支払いと決済を行うには

 中央銀行が発行する仮想通貨(CBDC)について、日本銀行やイングランド銀行(BoE)を含む6の中央銀行と国際決済銀行(BIS)が共同研究を始める。

 2月14日には、自民党のルール形成戦略議員連盟(甘利明会長)がデジタル通貨の発行準備を促す提言を提出した。CBDC実現への取り組みが、いよいよ具体化し始めた。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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