
ジョージアの人びとにとってワインは生き方そのもの(筆者提供、以下同)
ジョージア・クヴェヴリワインの「伝道師」とも言えるジョン・ワーデマンの講演を、これまで5回にわたって紹介してきた。
最終回は、原点に立ち戻ってクヴェヴリワインの神髄を伝える神話とクヴェヴリワイン醸造の実例を紹介し、最後にジョンの提言もお伝えしよう。
天空と大地の子供
キリスト教が到来する以前のジョージアの信仰では、大地が母、天空が父に擬えられていた。ワインは、父なる天空の太陽の光を浴びて育ったブドウが、母なる大地に埋められたクヴェヴリという甕の中で熟成されて誕生する、「天空と大地の子供」と考えられていたのである。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン