新・マネーの魔術史:未来篇 (28)

いまこそ「マネーの魔術」の本領を発揮できる

執筆者:野口悠紀雄 2020年4月2日
リブラ公式HPより

 

 新型コロナ問題で連鎖倒産の危険がある。これに対して、市中にマネーを供給することが必要だ。大規模な納税猶予でそれができる。これこそ「マネーの魔術」といえるものだ。諸外国は、つぎつぎにそれを行っているが、日本政府は腰をあげない。

「マネーの呪い」:連鎖倒産のおそれ

 新型コロナウイルスの感染防止のため、行動や移動が制限され、企業や事業者の売り上げが激減している。

 雇用問題が深刻化するのは、時間の問題だ。自営業やフリーランサーでは、収入喪失が既に発生している。今後は、さらに問題が拡大するだろう。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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