新・マネーの魔術史:未来篇 (29)

いま「需要喚起」「株価支持」のための「金融緩和」は間違い

執筆者:野口悠紀雄 2020年4月9日
エリア: アジア
リブラ公式HPより

 

 中央銀行は、いまこそ「マネーの魔術」を駆使して、市中にマネーを供給すべきだ。

 間違った金融緩和をすれば、株価は下落する。

いま需要喚起策をとるのは間違っている

「新型コロナウイルス」問題で経済活動が大きく落ち込み、政策当局が対応しようとしている。

 一般に、さまざまな事態に対して取るべき政策は、対象となる事態によって大きく異なる。

 需要が低迷している時は、金利を下げて需要を喚起することが必要だ。

 しかし、現在問題になっているのは、こうしたことではない。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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