新・マネーの魔術史:未来篇 (35)

「コロナ経済対策」は必要な規模にはなっていない

執筆者:野口悠紀雄 2020年5月28日
エリア: アジア
リブラ公式HPより

 

「新型コロナウイルス」による経済活動の落ち込みに対処するため、世界各国で経済対策が行われている。日本の対策は、どの程度の規模のものか? 他国と比べると、どうか? 日本の経済対策は対GDP(国内総生産)比で世界一というのは、本当だろうか?

補正予算額は25.7兆円

 4月20日に閣議決定された新型コロナウイルス感染症緊急経済対策は、事業規模が117.1兆円、財政支出が48.4兆円だ。

 事業規模と財政支出の額が大きく違う。なぜこのようになるのだろうか?

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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