灼熱 評伝「藤原あき」の生涯

灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(103)

執筆者:佐野美和 2020年5月31日
タグ: 日本
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)

 あきの出馬した参議院議員選挙当日、昭和37(1962)年7月1日、日曜日の夜9時過ぎのことだった。

 有権者の6割以上が投票に出かけた日の晩は、昼間に反してことのほか静かで、厚い雲に蓋をされた地上は陽が落ちても蒸し暑かった。

 藤山愛一郎経済企画庁長官は首相官邸を訪れ、対応した大平正芳官房長官に、たった今辞表を提出してきたところだ。

 永田町から私邸の白金台に戻る道すがら、車の後部座席に深く座る藤山はとぎれとぎれの店のネオンを見すごしながら、明日から始まる平日の1週間を想像し「正念場だ」とつぶやきながらこぶしをにぎった。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
佐野美和 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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