新・マネーの魔術史:未来篇 (37)

日本でキャッシュレス化が進まないのはなぜか?

執筆者:野口悠紀雄 2020年6月11日
タグ: 日本
エリア: アジア
リブラ公式HPより

 

 日本がキャッシュレス後進国であることは、よく知られている。政府はポイント還元策を実施したが、最も増えたのは、コストの高いクレジットカード決済だった。一方、電子マネーはさまざまな規格のものが乱立して使いにくい。複数の電子マネーを統合するUPIの仕組みを導入すべきではないか?

日本はキャッシュレス後進国

 日本のキャッシュレス決済比率が低いことは、よく知られている。

 経済産業省の商務・サービスグループキャッシュレス推進室の資料によると、キャッシュレス決済比率は、主要各国では40%~60%台だ。韓国では96.4%にもなっている。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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