サバイバルレースの先に巨大な利益が待っているなら、我慢のしがいもあろう。だが、半導体産業を待つのは、「低価格部品産業」への道だ。 巨額の先行投資を仕掛けた者が勝ち残ってきた半導体業界に「行き止まり」が見えてきた。二〇〇九年は、製品を作れば作るほど赤字が膨らむ「最後の我慢比べ」となる可能性が高い。メーカー各社は他社が落伍するのを期待しつつ必死で耐えるが、勝者を待つのも実は混迷でしかない。 *「前代未聞で予測不能な時期の開催になってしまった」。昨年十二月二日、米シリコンバレーに本部を置く半導体産業の業界団体SEMIのスタンリー・マイヤーズ最高経営責任者(CEO)は都内で開いた記者会見で顔を歪ませた。

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