灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(112)

執筆者:佐野美和 2020年8月2日
カテゴリ: 政治 社会
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)

 昭和40(1965)年5月に木造から鉄筋コンクリートに建て替えられた参議院議員会館の334号室があきの事務所だ。

 その翌年には砂防会館内の自民党本部が、永田町1丁目に新築したビルに移転している。

 昭和41年11月4日。

 議員会館にあきの秘書の杉浦が戻るなり、息せき切りながらたった今見てきた情景を話す。

「あき先生、先ほど藤山先生が経企庁で辞任の挨拶をしました。驚くことに、玄関に並んでいる女子職員が何人も泣いていましたよ。新聞記者もこんなにジーンときたのははじめてだといっていました」

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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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