「韓国民間人」射殺で文在寅「威信失墜」金正恩「謝罪」の波紋(上)

執筆者:平井久志 2020年10月2日
エリア: アジア
射殺された男性が乗船していた漁業指導船「ムグンファ10号」の前で、取材に応じる文成赫海洋水産部長官 (C)EPA=時事

 

 北朝鮮が韓国の民間人を銃殺する、という事件が発生した。同様の事件は2008年7月、金剛山観光に参加していた主婦以来、12年ぶりの悲劇だ。

 さらに韓国側の発表では、北朝鮮は新型コロナウイルスの感染防止のため、銃殺した後に油をかけて遺体を焼いたとされ、韓国民は大きな衝撃を受けた。

 北朝鮮が6月、開城にある南北共同連絡事務所を爆破したのに続く蛮行だけに、冷え切ってきた南北関係はさらに悪化するとみられる。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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