「日本学術会議」問題に思う:「始皇帝」の時代から続く「中国知識人」の悲しい運命

執筆者:柯隆 2020年10月9日
エリア: アジア
1957年、毛沢東は「反右派闘争」(写真)を主導し、知識人狩りを行った。歴史は繰り返す
 

 中国の黄河文明は世界史において輝かしい存在である。

 紀元前221年、秦の始皇帝は中国の統一に成功した。秦時代の中国は今より遥かに小さく、主に中原と呼ばれる一帯だった。それに伴って、中国の知識人の悲しい運命も始まったのである。

 始皇帝は外敵の侵略を防ぐために、万里の長城を築かせた。当時の民衆に多大な苦痛を与えた歴史はよく知られている。

 始皇帝は同時に、知識人の批判を封じ込めるため、「焚書坑儒」(書籍を燃やし、知識人を生き埋めること)を進めた。一説によると、『論語』も焼かれたといわれている。後世に伝わる『論語』は、当時の知識人が家の壁に隠したもの(竹簡)が後世に見つかったものだった。

カテゴリ: 政治 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
柯隆 公益財団法人東京財団政策研究所主席研究員、静岡県立大学グローバル地域センター特任教授、株式会社富士通総研経済研究所客員研究員。1963年、中国南京市生まれ。88年留学のため来日し、92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院修士取得(経済学)。同年 長銀総合研究所国際調査部研究員、98年富士通総研経済研究所主任研究員、2006年富士通総研経済研究所主席研究員を経て、2018年より現職。主な著書に『中国「強国復権」の条件:「一帯一路」の大望とリスク』(慶応大学出版会、2018年)、『爆買いと反日、中国人の行動原理』(時事通信出版、2015年)、『チャイナクライシスへの警鐘』(日本実業出版社、2010年)、『中国の不良債権問題』(日本経済出版社、2007年)などがある。
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