シャドーバンキング――アルケゴス破綻で浮上した「影の銀行」の巨大リスク

執筆者:鷲尾香一 2021年4月26日
エリア: その他
ソロス氏のファミリーオフィス「ソロス・ファンド・マネジメント」の投資活動は市場の重大関心事(C)EPA=時事
アルケゴス・キャピタル・マネジメントの破綻をきっかけに、「シャドーバンキング」「ファミリーオフィス」の存在が俄に注目を集めている。金融市場の規制から逃れる100兆ドル規模の巨額リスクマネーは、一体誰の資金でどのようなものなのか。

 3月31日の拙稿『アルケゴス「ポジション500億ドル」の追加清算に怯える市場』では、米国株式市場急落の原因となった米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントが、ヘッジファンドのタイガー・アジア・パートナーズ元運用者、ビル・フアン氏の運用するファミリーオフィスであることに触れた。

 このファミリーオフィスは、「影の銀行」――シャドーバンキングの進化版だ。実は、シャドーバンキングという言葉、その存在は決して新しいものではない。2007年8月に大手資産運用会社PIMCOのポール・マカリー氏(後に同社チーフエコノミスト)が最初に用いたと言われている。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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