岩瀬昇のエネルギー通信 (363)

石油史の隠れた主役「コモディティ・トレーダー」のエネルギー移行戦略

執筆者:岩瀬昇 2021年7月1日
タグ: マネジメント
エリア: その他
2011年のリビア内戦時にもオイル・トレーダーは密かに重要な役割を担っていた ⓒAFP=時事
70年代、コモディティ・トレーダーは中東で国営化された石油産業のサプライチェーンの担い手として重要な存在に浮上した。以降50年、利益獲得をすべてに優先させる彼らのエネルギッシュな振る舞いは、経済・金融のグローバル化に対応する石油産業史の隠れた原動力と言っていい。コモディティ・トレーダーはいま、化石燃料からの「エネルギー移行」を脅威ではなくチャンスだと見ている。

 週末に石油開発業界の若い友人たちと立ち話をする機会があった。

 一人が「石油需要は減少してしまうんですかね?」と聞いてくる。もう一人は「『BP』や『シェル』のカウンターパートと話していると、彼らも将来が読めずに困惑している。いま、何をすればいいのだろうか、と」という。

 現業に携わっている彼らは、毎日、目の前の課題を解決し続けなければならない。相手にするステークホールダーも多岐にわたる。そして同時に「More Energy Less Carbon」という、長期的双子の課題(twin challenge)に取り組まなければならないのだ。悩みは尽きないのだろう。

カテゴリ: 環境・エネルギー
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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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