【特別企画】視覚の差別主義にどう対抗するか|ジョージ・フロイド殺害映像とアメリカの映像文化|最終回

執筆者:飯岡詩朗 2021年8月8日
タグ: アメリカ
エリア: 北米
ジョージ・フロイド氏に対する殺人罪で禁固22年半の有罪判決を受けた元警察官のデレク・ショーヴィン ©AFP=時事/Hennepin County Jail
複数の通行人のスマートフォン、警官自身が装着するボディカメラ。いくつもの「目」が見ているにもかかわらず、なぜ白人警官は黒人男性を死に至らしめたのか。「人種差別主義で飽和した視覚性」に抗うため、私たちには何ができるだろうか――。

*第3回はこちら

8. フロイド殺害映像の複数性

 ジョージ・フロイド殺害の罪を問う元警察官デレク・ショーヴィンの裁判の流れをまとめ、解説する2021年6月25日のニューヨーク・タイムズの記事は、22年半の実刑判決を「画期的」と評価する。アメリカにおいて職務中の警官が殺人の罪で裁かれるのはそもそも稀有であり、とりわけ犠牲者が黒人である場合はきわめて稀有であったためである[1]

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執筆者プロフィール
飯岡詩朗 信州大学人文学部教授。専門は映画研究、アメリカ研究。立教大学大学院文学研究科博士前期課程修了後、立教大学アメリカ研究所に常勤嘱託として勤務。2008年、信州大学人文学部准教授、2020年、同教授。特定非営利活動法人「コミュニティシネマ松本 CINEMA セレクト」理事。訳書に『フィルム・アート――映画芸術入門』D・ボードウェル , K・トンプソン(名古屋大学出版会、共訳)、共著に『映画の政治学』(青弓社)など。
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