「インド太平洋」に突き刺さる中国・ラオス「中老鉄路」

執筆者:樋泉克夫 2021年10月22日
タグ: 中国
エリア: アジア
中国・ラオスを結ぶ中老鉄路/shutterstock
中国とラオスを結ぶ鉄道「中老鉄路」の工事が完了し、12月2日に開通する。90年代から中国が描いてきた東南アジアの巨大ネットワーク網構想の第一歩とも言える。中国の裏庭から国際社会に突きつけられた“鋭い刃”をどう見たらいいのか。

 

 10月12日、雲南省の省都・昆明とラオスの首都・ヴィエンチャンを結ぶ「中老鉄路」の建設現場で、最後に残された500メートルの敷設工事が完了した。12月2日の開通に向けて最終段階に入ったと想定できる。

 全線の運行システムはソフト・ハード共に中国方式を採用していることから、ラオスは中国国内鉄道網の一環に組み込まれると考えられる。同時に、中国路線がついに東南アジア内陸部へ乗り入れを開始する。

 この動きに対応してタイ政府は10月17日、プラユット・チャンオチャ首相が同路線の順調な運行に強い関心を示していると同時に、タイ政府としてもコンテナーヤードの整備・建設、税関システムの充実などを含む受け入れ態勢を整え、タイを地域の物流のハブとする方向を打ち出した。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
樋泉克夫 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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