
オンライン形式で行われたASEAN外相会議(C)AFP=時事
台湾の政治・社会の仕組みの根本的変革を目指し、いわば本格的な「台湾化」への道筋をつけた李登輝元総統は、死してなお台湾のために最後の大仕事を遂げたようだ。
彼の逝去を受けて設けられた弔問外交の場で、蔡英文総統はドナルド・トランプ米政権との連携を内外に強く印象付け、強圧的な習近平政権に対し、断固たる姿勢を示そうとした。言わば「死せる李登輝、生ける蔡英文を励ます」である。
蔡政権とトランプ政権の緊密な連携
トランプ政権は李元総統逝去から程ない8月9日にはアレックス・アザー厚生長官を、国葬を前にした9月17日にはキース・クラック国務次官(経済成長・環境・エネルギー担当)を台湾に派遣した。両者の訪台は共に、41年前の断交以来、最高位の米政府高官の訪台と報じられている。

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