「共和主義」というアメリカ政治思想の伏流水|佐伯啓思の「現代文明論講義」Vo.1

執筆者:論壇チャンネルことのは 2022年4月8日
タグ: アメリカ 日本
エリア: 北米
貿易摩擦から構造改革要求へと移行する1980年代後半から90年代の日米関係を規定したアメリカ経済思想。その批判的考察から出発した佐伯氏のアメリカ論は、冷戦後に唯一のイデオロギーとなった自由主義、個人主義、民主主義を相対化する眼差しへと繋がって行った。「グローバル・スタンダード」とは質を異にする、「共和主義」という政治思想の伏流水から浮かび上がるものとは。(聞き手・杉谷和哉 岩手県立大学総合政策学部専任講師)

*佐伯啓思氏の講義をもとに編集・再構成を加えてあります。

出発点にあった日米「国家観」の差異

――佐伯先生の言論活動の柱の一つは、アメリカ論であると思います。1993年に『「アメリカニズム」の終焉――シヴィック・リベラリズム精神の再発見へ』という本を書かれ、2000年代に入ると『新「帝国」アメリカを解剖する』や『砂上の帝国アメリカ』などでアメリカ論を展開されました。

 それまではアメリカ経済学の考え方を批判していた先生が、そういう経済学を生み出したアメリカという国の文明に関する議論をするように変化していったかと思います。先生にとってのアメリカ論についてお聞かせください。

カテゴリ: カルチャー 社会 政治
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