深層レポート 日本の政治 (236)

電撃人事で「反旗の芽」を摘んだ岸田の妙手

2022年8月13日
エリア: アジア
第二次岸田内閣の顔ぶれから見えてくる妙手とは(C)時事
旧統一教会問題を受けて内閣改造・党役員人事を急遽早めた――。そんな見方を一蹴するかのように用意周到な人事だった。反旗を翻す恐れのある人物を取り込み、閣内や党4役で競わせる。安部元首相の死去によって動揺が広がる党を掌握した岸田首相の「黄金の3年」が始まる。


「思ったより巧妙だ」。

 8月10日に発足した第2次岸田改造内閣の顔ぶれをみて、自民党の重鎮はこううなった。

 岸田文雄首相は今回の人事で、「ポスト岸田」と目される実力者を閣内や党4役で競わせるように配置しただけでなく、菅義偉前首相に近い非主流派の面々も取り込んでみせた。安倍晋三元首相の死去で動揺が続く党内最大派閥・安倍派のコントロールに乗り出す様子もみられる。首相の妙手は、今後、党内力学にも大きな影響を与えそうだ。

カテゴリ: 政治
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