官邸主導も消滅、自民の現状維持勢力化という「ポスト安倍政治」の不毛な光景

執筆者:牧原出 2023年1月10日
エリア: アジア
対抗する勢力を見失い、とはいえ一党優位を続ける自信もなく (C)時事
岸田政権の支持率低迷に出口が見えない。「二大政党の勝者」になりそこね、一方でかつてのような一党優位の長期政権も期待できず、ただ野党転落を恐れて現状維持と先送りを続ける自民党。その消極的現状維持勢力化は、官邸主導の政治体制など安倍政治のレガシーも消滅させた。

 

 昨年7月の参議院選挙で勝利し、一昨年の衆議院総選挙での勝利とあわせて盤石の態勢を固めたかに見えた岸田文雄政権は、9月に入ってから急速に内閣支持率を低下させ、臨時国会中には各種世論調査でも30%前後にまで下がり、内閣不支持率は12月末には50%を超えた。2021年10月の発足直後の内閣支持率は60%を超えるものもあり、不支持率が20%前後だったのとは正反対である。臨時国会閉会後も特に支持率が上昇する気配もなく、国民からの信頼を得られないまま、政権は低空飛行を続けている。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
牧原出 東京大学先端科学技術研究センター教授。愛知県生まれ。東京大学法学部を卒業後、東北大学法学部助教授、同大学大学院法学研究科教授等を経て、2013年4月より現職。専門は政治学・行政学。著書に、『内閣政治と「大蔵省支配」ー政治主導の条件』(中公叢書、2003)、『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会 、2009)、『権力移行 ー何が政治を安定させるのか』(NHKブックス 、2013)、『「安倍一強」の謎』(朝日新書 、2016)、『崩れる政治を立て直すー21世紀の日本行政改革論』(講談社現代新書、2018)、『田中耕太郎ー闘う司法の確立者、世界法の探求者』(中公新書、2022)他多数。
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