
「卯年は跳ねる」の相場格言よろしく、2023年の年明け早々に跳ねたのは円相場だった。1月3日のアジア市場で円相場は一時1ドル=129円台まで上昇し、7カ月ぶりに130円ラインを突破した。22年末に日銀が長期金利の上限を引き上げたのを機に、市場では「遅れてきた青年」である日銀の金融緩和からの出口が話題となり、折に触れて円買いを誘っている。
「遅れてきた青年」といえば、中国のゼロコロナ政策が無秩序な幕切れを迎え、新型コロナウイルスの感染爆発が起きている。英医療情報会社が23年1月3日に発表した推計によれば、中国のコロナ第1波のピークは23年1月13日で、1日当たり感染者は370万人に。4月までの累計死者数は170万人を数える見通しだ。苛政は虎より猛しである。
本誌で2022年初めに寅年のテーマを「TIGER」と整理した。
米連邦準備理事会(FRB)による金融の引き締め(Tapering)と、その引き金となる物価の高騰(Inflation)。台湾やウクライナをめぐる地政学的リスク(Geopolitical risks)とエネルギー危機(Energy)。そしてコロナの行動規制緩和に伴うリベンジ消費(Revenge shopping)である。
23年の日本と世界はその延長線上にある。23年は卯年。そこで「RABBIT」にかけて23年の課題を整理してみよう。そのなかで自ずと、黒田東彦日銀総裁による金融の量的緩和のモデルチェンジや金融・為替市場の大騒動の行方も位置付けられることになるだろう。
2023年(卯年)のテーマ
Recession:景気後退の足音
Asset bubble:資産バブルの着地点
Back to normal:日常への回帰

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