【Explainer】EU「社会気候基金」が問う「公平な気候対策」とは?

2023年1月14日
エリア: ヨーロッパ
ポーランドのピエカリ・スラスキエで、家の地下に石炭をかき込む男性[2022年10月27日](C)REUTERS/Kacper Pempel
EUが進めている排出量取引制度改革(ETSⅡ)では、新たに建築物や道路運輸にも二酸化炭素排出コストが課される見通し。家計や中小企業の負担増への対応として検討されているのが「社会気候基金」による支援策だ。気候変動対策の公平性が問われている。

[ブリュッセル発(トムソン・ロイター財団)]EU(欧州連合)が温室効果ガスの規制対象を暖房や輸送燃料に拡げる準備を進めるなか、政治家たちはフランスの「黄色いベスト運動」のような社会不安が起きることを懸念している。「黄色いベスト運動」は2018年、ディーゼルへの課税によって消費者が打撃を受けたことで始まった。生活費の高騰と、一般市民が温暖化対策の負担を背負わされることへの不公平感に対する抗議運動は、フランスの政策を後退させた。この一件は、環境対策は公平に進めなければいけないという教訓ともなっている。

カテゴリ: 環境・エネルギー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top