ネパールで貧困と戦う日本人(3) 「子宮脱」「児童婚」から女性と子供たちを解放せよ

執筆者:林壮一 2023年4月30日
エリア: アジア
トヨトミ製の調理用コンロを頭に載せて運ぶネパールの女性たち ©ADRA
ネパールの貧しい山間部では、出産直後の女性も、年端のいかない子供たちも、貴重な労働力として扱われる。日本の支援団体や企業は地道な援助で彼らの生活を改善しているが、それでも容易には解決できない課題がまだいくつも残っている。(前回記事はこちらからお読みいただけます)

 

出産直後の労働で「子宮脱」に

 2014年2月20日、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが、子宮脱に苦しむネパール人に関する声明を出した。同団体は国連とネパール政府のデータに基づき、ネパールにはおよそ1360万人の女性がおり、そのうち最大で10%が子宮脱となっていると訴えた。

 加えて、ネパールには根強い差別があること、多くの女性が出産直後から野良作業をしなければならないこと、この問題に対してネパール政府が真剣な対応をしていないことを指摘した。

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執筆者プロフィール
林壮一(はやしそういち) 1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経てノンフィクション作家に。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。東京大学大学院情報学環教育部にてジャーナリズムを学び、2014年修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(以上、光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(以上、講談社)など。
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