
なぜ政府機関が閉鎖されるのか?
[ロイター]米連邦議会は会計年度ごとに438の政府機関に予算を割り振らなければならない。アメリカの会計年度は毎年10月1日に始まって9月30日に終わる。従って、もし10月1日までに議会が新年度予算案を通すことができなければ、政府機関は通常業務を遂行することができなくなる。
米議会調査局によると、1981年以降これまでに14回の政府機関閉鎖があった。ほとんどは1日か2日で解消したが、直近の閉鎖は2018年12月から翌年1月までで、この時の閉鎖が最も長く、34日間続いた。争点は国境警備問題だった。
議会がよく使う手は、現会計年度の予算の適用を延長することで(9月30日という)締め切りを先送りし、その間に交渉をまとめることだ。
閉鎖の影響は?
閉鎖になれば、数十万人の連邦職員が無給で一時帰休を余儀なくされる。また、金融監督から国立公園のゴミ回収に至るまで、さまざまな公共サービスがストップする。一方、「不可欠」とみなされる職種の人々は、無給で働くことになる。郵便や徴税などは続けられる。
数日で済む政府機関閉鎖、特に週末にかかる場合などは、事実上さほど影響はない。だが、2週間を超えて連邦職員が給与を受け取れない事態になってくると、経済的損失は広範囲に及ぶ。ゴールドマンサックスの試算によると、閉鎖が1週間続くごとにGDP(国内総生産)の成長率は約0.15%ポイント下落する。ただし、閉鎖が解消すれば同じだけ成長率は上昇する。
議会予算局によると、2018年から2019年にかけての閉鎖が経済に与えたマイナス影響は、30億ドルに相当した。これはGDPの0.02%に当たる。
どんな機能が「不可欠」とみなされるのか?
米政府の各省庁は、こういう事態の時にどの職務の人々が無給で働かなければならないかを定めた緊急時対応計画を作っている。……

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