
[ロイター]厳しいかたちで審査を復活させた国々は以下のような状況だ。
◎オーストリア
2023年10月から2024年2月16日までの措置としてチェコとの国境で出入国審査を導入。また、同国は11月の時点でスロベニア及びハンガリーとの国境における出入国審査の実施期間を2024年5月まで、さらに12月にはスロバキアとのそれを2024年2月3日まで延長した。当局はその理由として収容・保護システムの圧迫、武器密売の脅威、ウクライナにおける戦争に絡む犯罪ネットワーク、人身売買などを挙げている。
◎デンマーク
一連のコーラン焼却事件を受けた警備強化の一環として、8月にコペンハーゲン空港でシェンゲン協定加盟国からの到着客も含む入国審査を強化した。EU委員会の報告書によると、同国はドイツとの国境およびフェリーでドイツ各都市と結ばれている港湾でのパスポート・チェックの実施期間を2024年5月まで延長した。
◎フランス
テロの脅威を理由に、シェンゲン協定加盟国との国境での出入国審査を11月から再開し、2024年4月30日まで続行の予定。同国のジェラール・ダルマナン内務大臣は、10月にブリュッセルで2名のフランス人が殺害された事件を受け、ベルギーとの国境の警備強化を発表していた。
◎ドイツ
9月にポーランド、チェコ、スイスとの国境における出入国審査の実施を発表。当初の予定では12月15日までの措置とされていたが、12月8日になって2024年2月まで最低2カ月の延長を公表した。ドイツ政府は、入国者の急増と深刻化する密輸に対処する必要を主張している。また、同国はオーストリアとの国境におけるチェック期間を2024年5月まで延長した。入国者の収容・保護態勢の過重な負担、中東でのテロ行為に関連した安全保障上の脅威、さらにはウクライナにおける戦争をその理由としている。
◎イタリア
10月21日、スロベニアとの国境で警察の検問を復活させた。……

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