Weekly北朝鮮『労働新聞』
Weekly北朝鮮『労働新聞』 (73)

金日成死去から30年、金正恩による「偉大な継承」を強調(2024年7月7日~7月13日)

執筆者:礒﨑敦仁 2024年7月18日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
追慕音楽会を金正恩国務委員長は2階のバルコニー席から観賞していた(『労働新聞』HPより)
7月8日は金日成主席の30年目の命日だった。金正恩国務委員長は中央追慕大会に出席、金日成及び金正日の遺体が永久保存される錦繍山太陽宮殿を訪れた。労働新聞では、金日成の偉業が金正恩政権下で「しっかりと継承発展されている」と強調された。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】
 

 7月8日、金日成(キム・イルソン)主席が死去して30年を迎えた。同日付は第1面全面に「偉大な首領金日成同志の思想と業績は主体朝鮮の万年財宝として永遠に光を放つであろう」と題する論説を掲載し、その業績とともに金正恩(キム・ジョンウン)を称えた。「偉大な首領金日成同志が開拓されて偉大な領導者金正日(キム・ジョンイル)同志が輝かせてこられた主体革命偉業はこんにち、敬愛する金正恩同志によってしっかりと継承発展されている」との従来主張である。また、「歴史は特出した功績をもって名を残した政治家が少なくない」としながらも、「偉大な首領様のように10代の幼い時期から80の高齢に至るまで長い歳月卓越した思想と領導、高邁な徳望で人民の絶対的な支持と信頼を受け」た「偉人」はいないと述べられた。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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