【Column】アメリカの記録的「純債務国」状態は未知の領域へ

2024年10月14日
エリア: 北米
どんなパーティーも永遠には続かない(C)REUTERS/Andrew Kelly
外国人投資家によるアンクル・サムへの請求額は、米国投資家による海外への請求額を数十年にわたり上回っており、この不均衡がドルの信認危機を引き起こす可能性があると多くのアナリストが長年警告してきた。その危機はいまだ訪れず、決して訪れないと信じる十分な理由もあるだろう。だが、米国は現在、純債務国として未知の領域に突入している。

 

Text/ジェイミー・マクギーバー(ロイターコラムニスト)

[米フロリダ州オーランド発/ロイター]米国のNIIP(純国際投資ポジション)の赤字は急速に拡大しており、名目およびGDP(国内総生産)比の両方で過去最大となっている。

 この例外的な状況は、いったいどれだけ続くのか。新たな疑問も浮上している。

唯一の選択肢

 ある国のNIIPは、株式、債券、FDI(外国直接投資)およびその他の投資を含む海外保有資産の価値と、同等の国内資産の外国人保有分との差だ。後者は海外の主体による請求権であり、負債として分類される。米商務省経済分析局によると、6月末時点で米国のNIIPはマイナス22.52兆ドル、GDP77.6%に達しており、前年から4.27兆ドル、11ポイントの増加となった。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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