2025年の主要政治・経済日程:冷戦“開戦”80周年、せめぎ合うナショナリズムとインターナショナリズム

執筆者:フォーサイト編集部 2025年1月27日
カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
第二次世界大戦終結80周年を迎える2025年は、第2次トランプ政権の発足により米国主導の西側同盟や国際社会の枠組みが大きく揺らぎかねない年と重なる[米大統領就任初日に大統領令に署名するトランプ氏=2025年1月20日](C)AFP=時事

 世界の主要政治・経済日程をまとめた「Foresight Schedule 2025」から注目イベントをピックアップ、そこから浮かび上がる国際情勢のトレンドを概観する。

ナショナリズムとインターナショナリズムの80周年

 2025年は第二次世界大戦の終結から80年目となる。かつての連合国側から見れば、まず5月に対ドイツ戦の勝利、続いて8・9月に対日本戦の勝利を記念する日程が続く。

 ただ、その日付はさまざまだ。対独戦勝記念日は欧米諸国で5月8日、旧ソ連圏諸国で翌9日と異なるし、対日戦勝記念日(第二次大戦終結の日)も欧米などで9月2日、中露などで9月3日と違っている。また、それに先立つ8月15日は日本で終戦の日、韓国で光復節、北朝鮮で祖国解放記念日などとされる。

 80周年を記念するイベントは、その意味するところ、狙うところもまた、各国それぞれの性格を持つ。ナショナリズム高揚の機会となる国もあれば、国際協調が賞揚される機会となる国もあるだろう。

 10月24日には国際連合が発足80周年を迎える一方で、2月にはヤルタ会談、7月にはポツダム会談から80年となる。どちらの会談も冷戦の起点とされており、今年は冷戦“開戦”80周年でもある。

 こうしたさまざまな80周年が、第2次トランプ政権の発足により米国主導の西側同盟や国際社会の枠組みが大きく揺らぎかねない年と重なる。オリンピックもサッカー・ワールドカップもない2025年だが、ナショナリズムとインターナショナリズムのせめぎあいが、80年前の戦勝と敗戦をめぐり、これまで以上に可視化される年になるのではないか。

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