やっぱり残るは食欲

ダイエット初め

執筆者:阿川佐和子 2025年3月4日
タグ: 日本
正月のお餅、ついつい食べすぎてしまいます(写真はイメージです)

 正月にお餅を食べ過ぎたせいか、遡って年末に会食が続いたせいか、一気に体重が増えた。といっても自分が「まあよし」としている体重より一キロほど増えただけではあるのだけれど、たかが一キロ、されど一キロ。

 今までの経験で言うと、多少体重が増えたとしても、「ああ、昨日食べすぎたからだなあ」と反省し、翌日、少し運動をしたりお酒や食事の量を控えたりすれば、翌々日にはまた基準の値に戻っていた。が、今回は違う。

 まったく戻る気配がない。むしろ増えた数値で安定し始めた。これはまずい。

 さらに衝撃を受けたのは、しばらくぶりのスカートをはいてみたところ、チャックが上がらない。上のホックも留まらない。まずい。

 去年の春から夏にかけて私は悪性の風邪にかかり、回復に時間がかかった。おかげで体重が減った。喉の痛みや止まらぬ咳には閉口したが、体重が減るのはちょっと嬉しい。

 その後、しばらくは減った体重を維持していたが、どうしたことか。免疫力がつくということは体力がつくということであり、つまり体重は増えるという理屈であろうか。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
阿川佐和子(あがわさわこ) 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』、『レシピの役には立ちません』(ともに新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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