アフリカ南部アンゴラの各地で一月十日に開幕したサッカーアフリカ選手権。開幕二日前の八日、会場の一つである同国のカビンダ州で、大会に出場予定のトーゴ選手団のバスが銃撃され、コーチら二人が死亡する事件があった。選手団を帰国させたトーゴ政府に対し、アフリカサッカー連盟は「スポーツへの政治介入」として、次回と次々回の同選手権へのトーゴの出場停止を決定。トーゴ側は処分を不服とし、法廷で争う構えだ。 地図を見ると、カビンダ州がアンゴラの「飛び地」であることが分かる。静岡県程度の広さの土地に約三十五万八千人(二〇〇六年推定)が暮らす同州がアンゴラ本土から孤立してしまったのは、欧州列強が勝手な国境線を引いた植民地争奪戦の名残だ。

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