この一週間ほど中国に滞在していましたが、船長の勾留延長が決まり、中国の日本への「報復」がすごい勢いで始まって、船長が釈放されました。船長はVサインを送還の機上で掲げ、一種の英雄として連日中国メディアに登場していました。
中国の過剰な強硬姿勢を批判するのはたやすいのですが、日本人として私が指摘しておきたいのは、今回、我が日本政府の意思決定に大きな問題があったということです。
「政治的判断」を求めた中国に対し、「国内法で粛々」という表現が今回、日本の政治家の口から様々な場所で語られました。ただし途中まで。船長の釈放は紛れもない「政治的判断」です。つまり「粛々」は途中でポキッと折れたわけです。

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