最大のアキレス腱は総裁候補の不在
「経世会支配」とまで呼ばれたほど、長い間自民党を牛耳ってきた小渕派(旧竹下派)が、最大の危機を迎えている。派閥領袖である小渕恵三前首相の死去後も、政府に青木幹雄官房長官、党に野中広務幹事長を置き、森喜朗新政権を実質的に支配している。しかし一皮むけば、派内は一枚岩とはいえず、小渕の後は総裁候補が派内に見当たらないという事情もあり、将来の展望が不透明になってしまったからだ。
森政権は六月二十五日に衆院選という審判を受ける。果たして選挙後も小渕派は主導権を握り続けることができるのか、それとも派閥分裂の道に突き進むのか――。党内最大派閥の動向は今後の政局を直接左右するだけに、小渕派の行方に熱い視線が注がれる。

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