五月十四日、小渕恵三前首相が死去した。四月二日未明に入院し、脳梗塞による意識混濁のまま不帰の人となった。残ったのは、森喜朗政権の正統性に対する限りない疑惑だ。
入院した小渕首相が「何かあったら万事よろしく」と指示し、これを受けて青木幹雄官房長官が首相臨時代理になった経緯について、一カ月半口を閉ざしてきた医師団は「(話したということに)驚いている」と初めて語り、信憑性に疑問を投げかけた。朝日新聞は死去当日の朝刊で、インターネットのホームページに小渕氏の病状が詳しく掲載されていると報じ、入院直後にまともな会話は出来なかったと伝えた。

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