今年の正月、家電量販店で福袋を買ったら電気自動車(EV)が入っていたというのが最大の話題だった。だが早合点は禁物。そういうのはあくまで1つの話題作りに過ぎず、EVが今年中にも飛躍的に売れ出したり、需要の主役になったりする前兆ではない。 景品作戦は、むしろ売る側の必死の売り込み、同業者間の倒すか倒されるかの熾烈な関係を語っているに過ぎない。 「ハイオクを満タン」と命じれば、たちまち入る。「有難うございましたァ」の声を尻目に、さあ地の果てまでも行くぞと自信満々にガソリンスタンドを出ていくあの愉快。EVは、ああいうエゴの満足をドライバーに与えない。なのにEVの値段は、今のところハンパじゃなしに高いのである。

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