国際論壇レビュー
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米新国防戦略がもたらすのは「抑止力」か「卑怯者の戦争」か

 アジア太平洋に大きくシフトするアメリカの新国防戦略(1月発表)が、各国を巻き込み活発に動き出した。米軍普天間飛行場移設とパッケージだった沖縄の米海兵隊8000人のグアムなどへの移転を、切り離して進めることに日米が合意したのも、その一環だ。新国防戦略の歴史的意義は、台頭する中国を牽制するアジア・シフトだけではない。第2次大戦以来、アメリカは欧州、アジア、中東のうち2正面で大規模戦争に突入しても、ともに勝利をおさめることが可能なように戦力を維持してきた。だが、莫大な財政赤字を抱え、軍費削減でその「2正面勝利戦略」を、はじめて放棄した。欧州からは2個機甲旅団約1万人が撤退する。冷戦時は最大28万人近かった在欧米陸軍は3万人程度になるというのだから、そこだけ見れば大軍縮だ。 【U.S. Faces New Challenge of Fewer Troops in Europe, The New York Times, Jan.14】

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執筆者プロフィール
会田弘継 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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