オバマ大統領「同性婚容認」の政治的計算

執筆者:足立正彦 2012年5月11日
エリア: 北米

 今月9日、オバマ大統領は米ABCニュースとのインタビューの中で、同性同士のカップルが結婚できることを支持するとの考えを個人的見解として明らかにした。オバマ大統領は、2004年にイリノイ州選出の連邦上院議員選挙に出馬した当時、結婚は男女間の神聖なものというのが自らの宗教的信条であるとの見解を示していた。また、2008年大統領選挙キャンペーン当時も、民主党大統領候補として、同性同士のカップルにも結婚した夫婦と同等の法的権利が付与されるべきであるとの「シビル・ユニオン(“civil unions”)」に対しては支持する立場を明らかにしていたが、同性婚の容認にまでは踏み込んでおらず、当時は反対姿勢を示していた。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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