深層レポート 日本の政治 (63)

郵政も外交も行き詰まり「五年目」小泉内閣の風化

執筆者: 2005年4月号
エリア: アジア

 文人宰相として知られた故大平正芳元首相はしばしば後輩の政治家たちに、「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と語って聞かせたという。政治は小魚を煮るようなもので、丁寧に辛抱強く事を進めなければいけない。先を急いで勢いよく鍋をかき回せば形が崩れて台無しになってしまう。老子の戒めの言葉だった。 小泉純一郎首相は長らく盟友関係にあった加藤紘一元自民党幹事長から何度となくこの言葉を聞かされてきた。大平元首相の愛弟子である加藤氏と、大平元首相のライバルだった故福田赳夫元首相を政治の師とあおぐ首相が、山崎拓元自民党幹事長を含めたYKKトリオで夜な夜な政治談議に花を咲かせていた頃の話である。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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