ミャンマーの首都ヤンゴン中心部の三カ所で五月七日、同時爆弾テロが発生した。囁かれているのは、タン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長を頂点とする現軍政指導部の追い落としを狙った旧国防省情報総局(MI)による犯行説だ。 軍政当局は「カレン民族同盟(KNU)やシャン州軍(SSA)など内外に拠点を置く四つの少数民族組織が国家転覆を企図してテロに及んだ」と非難したが、名指しされた組織はいずれも関与を全面否定。ミャンマー軍との国境付近での武力衝突を回避する目的で、かつてKNUやSSAを“緩衝役”として利用してきたタイの国防省関係者の間でも「現指導部の手の内を知る旧MIだからできた、プロ集団による作戦」(陸軍第三軍管区司令部当局筋)との見方が支配的だ。

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