北方領土を戻さないプーチンの来日
[モスクワ発]ロシアのプーチン大統領は九月二十七日、テレビ会見に出演し、六十以上の質問に三時間にわたって答えたが、最初に飛び出したのが北方領土問題だった。質問の大半は内政で、外交は日露関係とバルト三国在住ロシア人の人権問題だけ。十一月二十日からの訪日を控え、重要メッセージを先に発信する意図的演出だった。「北方四島はロシアの主権下にある。それは国際法によって確定され、第二次世界大戦の結果だ。これについて議論するつもりは一切ない。この立場から交渉を行なう。……領土問題は両国にとって繊細な問題だが、善意があれば、双方を満足させる選択肢を見出すことは可能だ。互いに歩み寄れば、解決策は発見できる」

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