9月のドイツ総選挙から3カ月にしてようやく第3次メルケル政権が発足した。この中道右派・キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と中道左派・社会民主党(SPD)の大連立内閣をめぐっては、国防相に初の女性としてウルズラ・フォンデアライエン前労働社会相が就任するなどの人事がメディアの話題をさらっているが、ドイツのアジア外交に変化が生じつつあることはまるで伝えられていない。1990年代から中国市場への進出に躍起になり、ほとんど中国との関係強化一辺倒だったドイツがここに来て対日重視路線に舵を切る兆しを見せているのだ。久しく絶えていた日独首脳間の交流に向けた調整も始動するとみられ、日独接近の流れは中国を牽制するカードにもなり得る。
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