「粛清後」の北朝鮮(下)「平和攻勢」は本物か

執筆者:平井久志 2014年2月14日
エリア: アジア

 金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は「新年の辞」で、「北南間の関係改善のための雰囲気をつくり出さなければならない」と強調し、「今こそ百害あって一利なしの誹謗中傷をやめるべき時であり、和解と団結を妨げることをこれ以上すべきではない」と訴えた。

 これを受ける形で北朝鮮の国防委員会は1月16日、「わが民族同士の団結した力で北南関係改善の活路を切り開いて行こう」とし、韓国当局に送る「重大提案」を発表した。

 

北朝鮮国防委の「重大提案」

 この「重大提案」は、(1)旧正月を期して1月30日からお互いを刺激し誹謗中傷する全ての行為を全面中止する(2)相手側に対する全ての軍事的敵対行為を全面中止する(3)核の災難を防ぐための現実的な措置を相互に取る――を提案した。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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