国際論壇レビュー
世界の論壇も割れた「テロ」と「言論の自由」を改めて考える
「言論・表現の自由」が無際限でないとしたら、どこに限界があるのか――。フランスの風刺週刊紙『シャルリー・エブド』への襲撃事件に続き、デンマークのカフェで「言論の自由」をめぐり開かれた集会が襲撃され、にわかに議論が沸騰した。当欄も含めたメディア全体の問題である。事件から少し距離を置けるようになった今、考えたい。
事件はともに過激思想に影響されたイスラム系住民が絡み、直後にユダヤ人が被害を受ける襲撃が起きていることから、西欧諸国の「言論・表現の自由」と、イスラム系住民の信仰、反ユダヤ言論規制までを巻き込んで、複雑な論争となった。その複雑さはまず、シャルリー・エブドが掲げたムハンマドの風刺画をめぐり、各国の新聞が転載と見送りに分かれたことに浮き彫りにされた。

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