経済の頭で考えたこと (6)

「サミットの限界」を乗り越える技術革新を

執筆者:田中直毅 2008年8月号

 二〇五〇年という半世紀近くも先の課題に政策を割り当てる決意を先進国首脳の誰ひとりとして示しえなかった、というのが洞爺湖サミットの結果であったと言ってよい。「温室効果ガス削減の長期目標の共有を支持する」という首脳宣言の採択に当たっても福田康夫首相は相当の努力を払わざるを得なかった。記者会見ではこのくだりは、「G8首脳は基本的に合意した(We saw eye to eye)」と英訳された。「目と目を合わせる」というこの表現は、見解が全く同じである、との意味内容である。英語への通訳者は、予めこの表現をとる、と決めていたのではないか。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
田中直毅(たなかなおき) 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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