二〇五〇年という半世紀近くも先の課題に政策を割り当てる決意を先進国首脳の誰ひとりとして示しえなかった、というのが洞爺湖サミットの結果であったと言ってよい。「温室効果ガス削減の長期目標の共有を支持する」という首脳宣言の採択に当たっても福田康夫首相は相当の努力を払わざるを得なかった。記者会見ではこのくだりは、「G8首脳は基本的に合意した(We saw eye to eye)」と英訳された。「目と目を合わせる」というこの表現は、見解が全く同じである、との意味内容である。英語への通訳者は、予めこの表現をとる、と決めていたのではないか。
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