一月二十九日、百一人のインドネシア人介護士が国内各地の老人介護施設で仕事を始めた。彼らは日本が介護分野で初めて受け入れた外国人労働者だ。 神奈川県海老名市にある老人ホーム「えびな南高齢者施設」には、ルコヤさん(二六)とソンティさん(二三)という二人の女性介護士が配属された。「ル、コ、ヤ! 難しい名前でしょう?」 イスラム教徒特有の黒いベール(ヘジャブ)で頭髪を覆ったソンティさんから、たどたどしい日本語で話しかけられ、七十代後半と思しき入居者の女性が満面の笑みで応じる。「かわいいねえ……」 そんなやり取りを見て、施設を運営する社会福祉法人「中心会」理事長の浦野正男氏が目を細める。

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