中国が金融危機に乗じて世界の資源の囲い込みに乗り出した。特に力を入れているのは、景気後退で企業価値が急落したオーストラリアの鉱山会社への買収攻勢だ。鉱山会社が金融危機により開発資金の確保に苦慮する中で、中国は約二兆ドル(約二百兆円)に上る外貨準備を使って札束攻勢を仕掛けている。 二月だけでも、鉄鉱石大手フォーテスキュー・メタルズ・グループへの湖南華菱鋼鉄集団の出資や、中国五鉱集団によるOZミネラルズの買収などが明らかになった。このほか、資源メジャーで豪州と英国が拠点のリオ・ティントに中国アルミニウムが百九十五億ドルを出資し、出資比率を一八%に増やす見通し。得られる資源は、電子部品の材料などとしても用いられる。

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