信用組合「消滅へのカウントダウン」が加速する

執筆者:鷲尾香一 2009年9月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 信用金庫や信用組合に未来はあるのか――。 六月二十九日、首相の諮問機関である金融審議会の第二部会は、一年以上にわたって検討を進めてきた「協同組織金融機関のあり方」について中間報告をまとめた。報告では(1)信金と信組を別の制度として維持する意義・必要性などについて検討が必要(2)それらが果たしている機能は現在の組織形態でなければ提供できないものではない――といった厳しい指摘がなされた。引き続き検討されることにはなっているものの、現状を見れば、両業界の大幅な変革は既定路線だ。 協同組織金融機関は会員の相互扶助を理念とした非営利法人だ。金融サービスを受けられる会員は「信金=一定の地域内の中小企業や地域住民」「信組=信金の対象会員のほか、特定の職場や業態の組合員」であり、金融庁の許可を得ないと営業地域を拡大できない。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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